columnコラム

相続分-指定相続分

弁護士 幡野真弥

 被相続人は、遺言によって、相続人の相続分を指定することができます(民法902条1項)。また、遺言によって、相続分の指定を第三者に委託することもできます。

 相続分の指定の方法は様々です。
 例えば、相続人がA、B、Cと3人いるときに、
①Aに遺産の5分の3、Bに遺産の5分の1、Cに遺産の5分の1と指定する。
②Bに遺産の3分の1を与える。
③Cに土地を相続させる。
 といった方法で指定することができます。

 ただし、①、②の遺言は割合的包括遺贈、③の遺言は、相続分指定を伴わない遺産分割方法の指定や特定遺贈と解釈される可能性もありますので、遺言の趣旨を吟味する必要があります。

 このときAの遺言で、「遺産の5分の2は子Bに相続させる」と書いてありました。
 このとき、配偶者Aの相続はどうなるでしょうか?
 Wの相続分は子Bの指定相続分である5分の2を除いた残り(5分の3)の2分の1なのでしょうか。
 それとも、子Bの相続分指定に関係なく、相続財産の2分の1で固定されているのでしょうか。
 いずれとみるべきかは議論が分かれていますが、もっぱら遺言者の意思解釈によって決まるとされています。

 遺言を作成するときには、後々の紛争とならないように、十分に注意して文言を考える必要があります。