cases解決事例

医療法務【獣医師】

判決を得た裁判例

・患畜に対して、膿胸の治療を実施した際に、抗生剤を投与しなかった過失等があり、その結果患畜が死亡したとして、損害賠償を請求されたが、患畜の腎機能の状態等から抗生剤を投与することはできず、獣医師に注意義務違反はないとされた事例

・ウサギの過長臼歯に対する処置を実施した際、患畜の両下顎が骨折し、そののちに死亡した事例に関し、下顎骨折に関する過失については認容されたものの、死亡との因果関係はないとして、死亡したことによる損害賠償請求は棄却された事例

・患畜の確定診断に際して、腹部全体の確認をする必要性から試験開腹を実施し、生検の結果、リンパ腫と診断され、その後に亡くなった事案で、原告からは試験開腹ではなく、より負担と少ない内視鏡検査の方法を採るべきといった主張がなされたものの、内視鏡検査では検査できる範囲に限りがあり、確定診断に至らないこと等を理由に、獣医師の処置に過失はないとされた事例

・除外診断のために消化管バリウム造影検査等を実施したところ、バリウムの循環が認められなかったことから、確定診断のために試験開腹を実施するも、術後に死亡した事案で、原告は消化管閉塞の疑いがある場合にバリウムを投与することは禁忌である等と主張して、損害賠償を請求したが、小動物医療において、バリウム投与が禁忌とされるのは、腹腔内遊離ガスが存在し、急性腹症の疑いがある場合であって、本件ではそのような所見はないとして、獣医師の注意義務違反が否定された事例

・裂孔ヘルニアによる逆流性食道炎と診断し、全身麻酔により手術を実施したが、覚醒後、心不全の兆候が見られ、強心剤を投与するも患畜が死亡した事案につき、原告からは麻酔薬の過剰投与により、患畜が死亡した等として、損害賠償を請求されたものの、過剰投与の事実等は認められず、獣医師に注意義務違反はないとされた事例

・食欲低下の原因が、口腔内の炎症にあると判断し、消炎鎮痛剤を投与した事案につき、原告からは、当時患畜には腎機能の低下・脱水があったにもかかわらず、投与を控えるべき消炎鎮痛剤を投与した結果、慢性腎臓病、膵炎を発症した等として、損害賠償を請求されたが、血液検査の結果やバイタル、尿の貯留状況等から、当時患畜に脱水や腎機能の低下は認められないとして、獣医師の注意義務違反が否定された事例