columnコラム

相続

具体的相続分の確定‐特別受益と寄与分

弁護士 幡野真弥

 相続人は、指定相続分または法定相続分に基づいて、相続財産について持分を取得しますので、遺産は共有状態となっています。この共有状態を解消するものが、遺産分割です。
 法定相続分や指定相続分に応じて、遺産分割を進めると、公平に反するような場合が2つあります。

 1つは、相続人が、被相続人から、生前に贈与を受けているような場合です。
 もう1つは、相続人が、相続財産の維持や増加に特別の貢献をしていたような場合です。

 民法は、このような不公平を是正するために、特別受益の持戻し(903)と寄与分制度(904条の2)を用意しています。

 特別受益の持戻しや寄与分により、指定相続分・法定相続分に一定の修正を加えた相続分の額を、具体的相続分といいます。具体的相続分が、遺産分割をするうえでの基準となります。
 また、具体的相続分は、相続財産中の積極財産について分割する基準となるものです。消極財産は、具体的相続分ではなく、指定相続分・法定相続分によって相続されます。したがって、具体的相続分がゼロとなる相続人も、消極財産を負担することがあります。

 次回以降、特別受益の持戻しや寄与分の制度について、ご説明していきます。