columnコラム

裁判例 離婚

性交拒否と離婚、慰謝料

弁護士 幡野真弥

 東京地裁平成29年8月18日判決は、本妻が婚姻中に性交渉その他の性的接触がなかったことにより婚姻関係が破綻し離婚したと主張し、不法行為に基づき元夫に対し慰謝料の支払を求めた事案について、50万円の慰謝料を認めました。

 裁判所は「(妻が)夫婦の関係について相当の不安を感じており,被告においてもこのような原告の心情を察していたのであるから,性交渉そのものはなくとも,身体的な接触や言葉を交わすなどして夫婦間の精神的結合を深めるということも可能であるのに,被告にはそのような行動を起こそうとする兆しも見受けられず,このような事情に照らすと,本件においては,被告が原告に対する性的関心を示さない,又は原告においてこれを感じることができるような態度を示さないことにより,夫婦間の精神的結合にも不和を来たし,婚姻関係の破綻に至ったということができるから,このような経緯により婚姻関係の破綻を招来させた被告には,原告に対する不法行為が成立すると評価せざるを得ない。」と判断しました。
 単なる性交拒否だけでなく、その余の事情も加味したうえで不法行為が成立するかどうか検討されており、参考になります。