columnコラム

獣医師

オーナー様とのトラブル⑥~クレーム対応(5)~

弁護士 小島梓

 「オーナー様とのトラブル③~クレーム対応(2)~」のコラムで,謝罪やお金の支払いについてのリスクについてご説明しましたが,どんな場合でも絶対に謝罪したり,お金の支払いをしてはいけないという訳ではありません。
 本当に何か過失があったのであれば,そのことについて謝罪をしたり,それに対する適切な金額の賠償をするということはもちろん必要です。

 しかし,このような時にも,ご自身のみでの対応にはリスクが伴います。今回は,このような時にも,弁護士へご相談いただく意味があることをご説明していきます。

 まず,先生方が「ミス」だと思ったことと法的な意味での「過失」とは必ずしもイコールではありません。逆に言えば,先生方がミスだとお感じになったとしても,法的には過失ではないこともよくあります。
 そのため,まずご自身でミスだと感じたから謝罪するという判断されること自体に大変リスクがあります。

 仮に明らかな過失があり,何らかの金銭賠償が必要であったとしても,その金額がいくらになるのかということは,軽々に判断できることではありあません。

 さらに,話し合いでお金を支払うことになったとしても,何の書面も交わすことなく漫然と支払ってしまったのでは,追加請求されるリスクが残ってしまい,トラブルの終局的な解決にはなりません。これは,獣医師はもちろん,オーナー様にとっても望ましいことではありません。

 以上のように,仮に謝罪やお金の支払いが必要なケースであったとしても,ご自身で判断することには相応のリスクがあり,その要否や額,支払い方等については,やはり法律の専門家である弁護士が間に入る必要性は相当高いといえます。

 獣医師の先生方も,動物病院に連れてこられた動物を診て,もう少し早く連れてきてくれればと思われることがあると思います。オーナー様からのクレームについても同じだとお考え下さい。

 事が大きくなる前に,できるだけ早い段階でご相談いただいた方が,解決はしやすいですし,差し上げられるアドバイスも多いです。
 オーナー様に指摘されたことが気になっている,具体的にミスを指摘されたわけではないが,カルテを見せてほしいと言われてしまった等,オーナー様に不信感を持たれていて,今後トラブルになりそうな気がするといった段階でも全く構いません。
 お悩みの先生は是非一度,当事務所までご相談ください

 次回以降は,最近ご相談の増えている,未払い報酬の回収についてご説明していきます。