columnコラム

獣医師

オーナー様とのトラブル⑤~クレーム対応(4)

弁護士 小島梓

 今回は,オーナー様からのクレームが発生してしまったときに,弁護士に早期にご相談いただくメリットはどこにあるかについてご説明していきたいと思います。
 結論から申し上げますと,トラブルが訴訟等に発展する前に,適切かつ早期に解決できるというのが弁護士を入れるメリットと考えております。

 獣医師の先生方からはよく,裁判になっている訳でもなく,具体的にお金を請求されているわけでもないのに,弁護士に頼んで良いのかというご質問をいただきますが,全く問題ありません。
 むしろ,訴訟等になってしまう前に,一度ご相談いただきたいです。

 まず,トラブルが裁判等に発展してしまうことを未然に防ぐことも大切な弁護士の仕事ですし,獣医師の先生方のご負担等を考えれば,それが重要なことと考えています。そのため,早期にご相談いただいた場合には,まず,トラブルが裁判手続き等,より大事にならないようにするためにどう対応いただくのが良いのかという観点からアドバイス差し上げるようにしております。

 さらに,獣医師の先生方は,弁護士を入れると,オーナー様を怒らせて大事になってしまうのではないかという心配をされることも多いです。しかし,通常は逆であることが多いです。良きタイミングで弁護士を入れていただくことが大事になることを防げるとお考え下さい。

 前回お伝えしたように,一度は,獣医師より,事実を丁寧に説明する場を設けていただきたいと思いますが,すでに当事者同士が冷静に話すことができない状態になってしまっているケースがあります。そのような状態のときに当事者同士でやりとりを強行すれば意思疎通が図れず,そのまま訴訟提起されるということになりかねません。
 その際は,弁護士が間に入って,その場を設けたり,書面で連絡をすることも可能です。早期にご相談いただければ,ご自身で何をポイントにご説明いただきたいかのアドバイスを差し上げることもできます。

 また,獣医師から一度,丁寧に説明する場を設けたり,書面を送ったりしてもクレームが収まらない,オーナー様からの連絡が続くという事態になったときには無理にご自身での対応を続けないという判断も重要です。
 このような飼い主さんに対して,ご自身の対応を続けると,話がこじれてしまうケースが多く,解決から遠のいてしまうことになります。

 以上のように,オーナー様からのクレームが発生してしまったとき,適切かつ早期に解決したいと考えられた時にこそ,早い段階で弁護士にご相談いただくことに意義があります。

 次回は,オーナー様に謝罪や賠償をすることになった場合に,弁護士を介入させる意義についてご説明したいと思います。