columnコラム

獣医師

動物愛護法③~「保管」業とは~

弁護士 小島梓

 前回まで,動物病院にて,動物を預かるペットホテルや,トリミング等のペット美容を営む場合には,基本的に動物愛護法に基づき第1種動物取扱業として届出・登録の必要がある旨ご説明してまいりました。

 しかし,中には,入院施設はあるが,病気の動物,病気の疑いのある動物の治療や検査入院のためだけに使用しているという病院もあろうかと思います。
 今回は,このような場合でも,動物を預かる可能性がある以上,「保管」業ととして届出をして登録を受ける必要があるのかについて見ていきたいと思います。

 まず,第1種動物取扱業の一種,「保管」業とは,保管を目的に顧客の動物を預かる業と考えられています。(環境省HP第1種動物取扱業者の規制

 そう致しますと,病気やけがをした動物の治療目的,もしくは病気の疑いのある動物の検査目的で動物を入院させるのみという場合には,基本的に動物の「保管」を目的としているとは言えないので,「保管」業に該当せず,届出,登録は不要とされる可能性が高いものと思います。

 ただし,動物愛護法に,検査・治療目的であれば「保管」目的ではないため,届出不要という形で明確に例外規定が設けられているものではなく,各都道府県の担当機関の判断によるところが大きい状況です。

 また,トリミングやグルーミング等のペット美容を行う場合,動物を預かるときには「保管」業として届出,登録が必要と考えられていますが,例えば,施術中,ペットオーナーが病院内で待機しており,施術終了後にすぐに連れ帰るシステムであれば,預かっていることにならないのかなど,微妙なケースもございます。

 結局,システムの名称如何ではなく,動物病院が実際に行っているシステムの具体的な状況により,「保管」業に該当するか否かの判断が変わってくるところです。

 そのため,入院施設がある場合,トリミング,グルーミング等のペット美容サービスの提供予定となっている場合には,事前に,当該病院が動物を預かるシステム,目的が具体的にどういったものなのかを説明した上で,各都道府県の担当機関に届出の要否について問い合わせた上で,担当機関の判断に従うのが安全と言えます。

 別のコラムにてご説明しますが,万が一,届出をせずに「保管」業を営んでいたとみなされてしまった場合,罰則を科されることもありうる状況ですので,確認作業等を慎重に行っていただければと思います。

 次回は,第一種動物取扱業の登録申請に必要な要件の一つである,「動物取扱責任者」について見ていきたいと思います。