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獣医師

動物愛護法②~動物取扱業者について~

弁護士 小島梓

 最近,動物病院で,ペットホテルやペット美容を営むことも一般的になっているかと思います。その場合,動物病院の開業届とは別に,「保管」業として動物愛護法に定められている第1種動物取扱業者としての届出・登録が必要とされています(動愛法10条1項)。
 今回はその仕組み等をご紹介したいと思います。

 動物愛護法に定められている動物取扱業者は大きく二種類に分かれています。

 ①第1種動物取扱業
・動物の販売,保管,貸出,訓練,展示,競りあっせん,譲受,飼育を営利目的で業として営む者です(動物愛護法10条1項,動愛法施行令1条)。
・当該業務を営むためには届出をして,都道府県知事等の登録を受ける必要があります。
※規制対象業種などについては,環境省HPの「第1種動物取扱業者の規制」もご参考になさってください。

 ②第2種動物取扱業
・動物の譲渡,保管,貸出,訓練,展示を非営利の目的で,業として行う者です(動物愛護法24条の2の2)。
・当該業務を営むためには,都道府県知事等に届け出をする必要があります。
※規制対象業種などについては,環境省HPの「第2種動物取扱業者の規制」もご参考になさってください。

 いずれも対象となる動物は,実験動物・産業動物を除く、哺乳類、鳥類,爬虫類です(動愛法10条1項括弧書)。

 規制対象となっているのは,第1種も第2種もサービスを「業」として行う場合です。「業」として行う場合に該当するか否かの解釈は色々とあるのですが,本コラムで詳細の紹介は控えます。皆様には,簡単に反復継続してお仕事で行うかどうかと考えてみていただけるとよろしいかと思います。
 そして,第1種と第2種の大きな違いは,当該業務を営利目的で行うか非営利目的で行うかという点です。

 それでは,動物病院で,飼い主様から料金を支払ってもらって,動物を預かるペットホテルを営む,動物を預かってトリミング等を行う場合は,どちらに該当するのかということですが,基本的には,反復継続してお仕事として引き受けられるはずですので,営利目的で「保管」業を営む場合に当たり,第1種取扱業者に該当することになります。

 そのため,動物病院で,ペットホテルや,トリミング等のペット美容を営むことになる場合は,基本的に,保管業としての届出・登録が必要ということになります。
 なお,届出先は,各都道府県により異なりますが,各都道府県の動物愛護センターが担当している例が多いようです。

 動物病院の中には,入院施設はあるが,病気の動物,病気の疑いのある動物の治療や検査の入院のためだけに使用しているというところもあろうかと思います。この場合も「保管」業として,第1種動物取扱業の届け出が必要になるのでしょうか?動物病院としては,一番悩ましい問題かと思います。
 次回は,入院施設のある動物病院が「保管」業として届出る必要のない場合があるのか否かなどについて考えてみたいと思います。