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獣医師

動物看護師について⑧~国家試験受験資格取得に関する特例措置~

弁護士 小島梓

 前回,ご説明した通り,愛玩動物看護師になるためには、愛玩動物看護師国家試験に合格し、免許の交付を受ける必要があります(愛玩動物看護師法3条)。そして,その受験資格を得るためには,原則として,4年制大学を卒業する,もしくは専門学校等の養成所で必要な知識技能を習得することが必要です。

 しかし,この受験資格取得制度については,法施行による混乱を防ぎ,現在既に認定看護師の資格を取得して動物看護師として働いている人たちや,法施行前に大学や専門学校を卒業した人たちを救済する目的で,法律の施行後5年間に限って特例措置が設けられています(愛玩動物看護師法附則2条,3条)。
 今回は,この特例措置の内容をご紹介します。

 前提として,認定動物看護師の資格を有している方も,動物看護師としての実務経験のある方も,愛玩動物看護師国家試験を受験し,合格することは必須となっています。
 特例措置が設けられているのは,この受験資格を得る方法についてということになります。特例措置の内容は以下の通りです。動物看護に関して大学や専門学校で学んだ経験のあるいわゆる既就学の方と未就学の方で条件が異なっていますので,確認してみてください。

<動物看護について既就学の方>
①動物看護に係る大学に法律施行日前に入学して,
ア 施行日前に卒業した者
イ 施行日後に卒業した者
②動物看護に係る養成所に法律施行日前に入学して,
ウ 施行日前に卒業した者
エ 施行日後に卒業した者
以上の①②のア~エのいずれかの条件を満たす方については,農林水産大臣若しくは環境大臣の指定する講習会を修了することで、国家試験の受験資格が得られることになっています(愛玩動物看護師法附則第2条第1号)。

<動物看護について未就学の方>
 また,上記のような大学や養成所に在籍した経験がないという未就学の方であっても、実務経験を5年以上有する方は、
「①主務大臣が指定する講習会を受講する」+「②予備試験に合格する」
という二つの条件を共に満たすことで、国家試験の受験資格を得られることになっています(愛玩動物看護師法附則第2条第2号)。
 ここでいう「実務経験」としては、動物病院において動物の看護に従事した者や動物看護に関する学校において教員として勤務した者などが含まれると想定されています。
 また,予備試験については,施行日から5年間,毎年1回以上実施することになっています(愛玩動物看護師法附則第3条)。

 個々の状況によって,愛玩動物看護師国家試験の受験資格を得られる条件が異なっておりますので,各条件に合わせて,各々準備をしていただく必要があろうかと思います。少し,複雑ですので,農林水産省より公開されている図も参考にしてみください。http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/kangoshi/base.pdf

 なお,大学及び専門学校に示す国家資格カリキュラムの内容、国家試験の内容及び実施体制、講習会の内容,開催時期や回数,予備試験の内容等の詳細等は,現時点ではまだ詳細が決まっておらず,今後,明らかにされる予定になっています。

 愛玩動物看護師法は,大部分はまだ適用される段階に至っていません。そこで,次回は,愛玩動物看護師法の現状を確認しておきたいと思います。