columnコラム

獣医師

動物看護師について⑤~「愛玩動物」以外の動物との関係~

弁護士 小島梓

 今回は,愛玩動物と愛玩動物以外の動物とで,どのように扱いが異なるのかについて見ていきたいと思います。

 まず,獣医師法17条の飼育動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずら,政令で定められているオウム科などの鳥類)のうち,愛玩動物に含まれるのは,犬,猫,愛玩鳥(指令で今後指定される予定)です。これらについては,愛玩動物看護師が「診療の補助」を行うことができます。

 他方,牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏、うずらについては,愛玩動物ではないため,愛玩動物看護師は,診療業務はもちろんのこと,「診療の補助」も行うことはできません。

 さらに,獣医師法17条に定められた「飼育動物」にも,「愛玩動物」にも含まれず,政令でこれらに指定される予定もない,ウサギ,ハムスター等の齧歯類やカメなどもいますが,これらの動物は,当然のことながら,愛玩動物看護師が「診療の補助」を行うことができます。

 このように,愛玩動物看護師が行いうる診療業務については愛玩動物看護師法,獣医師法でそれぞれ許される診療業務が定められているため,愛玩動物看護師がその規定に反して診療業務を行った場合には,2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処される、又はこれを併科される事態となりえます(獣医師法27条第1号)。

 しかし,これはあくまで刑事上の責任の発生の有無を規定しているにすぎません。
 仮に当該規定に反しなかった場合でも,皆さんがよくご存じのように,医療水準に満たない行為を行い,その結果,損害が発生した場合には,当然,民事上の責任として損害賠償責任が課されることになります。

 いずれにせよ,違反が顕在化してしまった場合には,動物病院の信用にも大きく関わる問題です。上記のとおり,愛護動物看護師法施行後は,愛護動物看護師の業務範囲が動物ごとに異なる場面も出てきます。
 業務において,混乱を生じさせないためにも,院内での研修,周知を実施していただければと思います。

 次回は,「愛玩動物看護師」の名称について,罰則も含めご紹介します。