columnコラム

離婚

財産分与について~不動産とローン①

弁護士 幡野真弥

 夫婦が離婚した際には、婚姻中に協力して形成した財産は、清算することになります。相手に対して、財産の清算を求めることを、財産分与請求と言います。

 財産分与で問題になることが多い財産は、住宅ローンのある不動産です。
以下、具体的な例で、ご説明します。

 婚姻期間中に、夫名義で、5000万円でマンションを購入しました。
 購入資金の原資は、夫婦で貯めた預金500万円と、夫名義の住宅ローン4500万円です。その後、夫婦は一緒に生活して残ローンを返済していきましたが、あるとき別居し、そして離婚することになりました。
 別居時のローン残高は3000万円、現在のマンションの評価額は4000万円、他に夫婦には財産はありません。
 このケースでは、財産分与はどうなるでしょうか。

 まず、マンションの価値は現在の評価額である4000万円です(購入価格5000万円ではありません)。
 そこから、別居時の残ローンである3000万円を引きます。
 差額1000万円が、夫婦で築いた財産です。
 この財産を2分の1ずつ分けることになりますので、夫から妻に対して支払う財産分与の額は500万円です。

 では、頭金500万円を、夫が婚姻前の預金から出していた場合はどうなるでしょうか。
 結婚前の預金500万円は、財産分与の対象とならない特有財産です。
 考え方は複数ありますが、単純化された計算方法で考えることにします。
 マンション購入代金5000万円のうち、頭金500万円は10%です。残りの90%だけが、財産分与の対象となります。
 マンションの評価額4000万円×90%=3600万円から、別居時の残ローン3000万円を引き、残りは600万円です。この600万円が、夫婦で築いた財産です。したがって、財産分与の額は、600万円の2分の1である300万円となります。

 次回以降のコラムで、不動産の名義を移転する場合の処理方法についてご説明します。