columnコラム

離婚

財産分与について~扶養的財産分与・慰謝料的財産分与

弁護士 幡野真弥

 以前、財産分与について(特に清算的財産分与について)、簡単にご説明いたしました。
 https://www.owls-law.com/2020/06/847/
 今回は、扶養的財産分与と、慰謝料的財産分与についてご説明します。

■扶養的財産分与について
 婚姻期間中は、夫婦は互いに扶助義務を負っており、収入が少ない配偶者(権利者)は、相手方配偶者(義務者)に対して、婚姻費用(生活費)を請求することができます。
 しかし、離婚後は、自立して生活することが原則であり、自身で生計を立てていく必要があります。
 もっとも、婚姻や出産・育児をきっかけに仕事を退職しているケースは多く、ある程度の財産分与がなければ、経済的に安定した生活を離婚した後に送ることが難しいこともあります。
 そこで、一定の場合には、離婚後の扶養という観点から、財産分与が決められることとなります。これが扶養的財産分与です。
 ただし、あくまで離婚後の経済的自立は自身で行うことが原則ですので、扶養的財産分与は補充的なものに留まります。
 扶養的財産分与は、当事者の資産状況、収入、健康状態、就職の可能性等を考慮して決められることとされています。明確な基準は確立されていませんが、婚姻費用相当額が参考とされているケースも多いです。
 そして、考慮できる期間は、「元配偶者が自活できるようになるまでの期間」とされており、具体的には1~5年の間が多いです。

■慰謝料的財産分与について
 財産分与において、慰謝料的要素を考慮することもできます。もっとも、慰謝料については、財産分与とは別個に、独立して請求されることが多く、財産分与の算定の中で、実際に考慮されているケースはあまりありません。

 今後も、財産分与について、ご説明を続けます。