columnコラム

獣医師

動物看護師について①~愛玩動物看護師法の概要~

弁護士 小島梓

 獣医師の先生方より,「点眼や採血までは動物看護師にさせてもよいのか」「動物看護師にさせてよいことと,させてはいけないことの基準は何か」といった,いわゆる動物看護師の業務範囲に関するお問い合わせを,よくいただきます。さらに,令和元年6月に愛玩動物看護師法が制定され,動物看護師を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。

 そこで,本コラムにて,動物看護師の業務範囲に係わる問題を含め,動物看護師を取り巻く環境は,今後どのように変わっていくのかということについて,重要なテーマごとに連載をしていきたいと思います。

 今回は,令和元年6月に制定された愛玩動物看護師法の概要をご紹介します。

 現在の日本においては,すでに動物病院において多くの動物看護師の方が働いておられ,動物病院においてなくてはならない存在となっています。その重要性に鑑み,これまでは民間主導で共通カリキュラムの整備等がなされてきたところです。平成25年より資格が統一化されるようになり,認定動物看護師も多数誕生し,獣医療現場で活躍しています。

 しかし,他方で,従来、動物看護師についてその資格や業務について定める法律がないことから、動物看護師がその業務を十分に果たすことのできる環境の整備が緊急の課題となり,動物看護師の国家資格化を求める声が高まりつつある状況でした。そのような要請を受け,令和元年6月に愛玩動物看護師法が制定され、令和5年12月までに第1回目の愛玩動物看護師国家試験が行われる見込みとなりました。
 なお,現時点における愛玩動物看護師法の施行スケジュールは,下記農林水産省のHPにて公開されているので参照ください。https://www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/doubutsu_kango/attach/pdf/index-7.pdf

 このように愛玩動物看護師法は,動物看護師の国家資格化を実現するとともに,動物看護師の業務が適正に運用されるよう規律することを目的として制定されるにいたったものです(愛玩動物看護師法1条)。そのため,当該法律の中で,動物看護師の資格を得るための条件,動物看護師の定義,業務範囲など,これまで法律による規定がなく不明確だった点が法定されるに至っています。

 それでは,次回は,愛玩動物看護師法に定められている「愛玩動物看護師」の定義のうち,「愛玩動物」に焦点をあててご紹介します。