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獣医師

獣医師の説明義務違反について①

 今回は、いわゆる「説明義務」を取り扱います。

 説明義務は、その内容によって、大きく以下に分類されます。
①オーナーの有効な同意を得るための説明義務
②療養方法の指導としての説明義務
③顛末報告としての説明義務
 次回以降、それぞれの説明義務について、詳しくコラムを書いていきます。

 診療の過程で説明義務が問題となる場面と、説明義務の内容は、大きくは以下のとおりです。
①特定の検査を実施する場面
 ペットの病状、検査・治療の必要性、実施予定の検査・治療の内容と、これに付随する危険性、他に選択可能な方法がある場合には、その利害得失など

②当該検査の結果、病名・病状の説明をする場面
 検査の結果、病名及び病状、今後想定される事態など

③治療を実施する場面(療法選択に関する場面)
 上記①と同様です。

 どのような場合にどこまで説明しなければならないか、獣医師の説明を必要とする具体的な状況はさまざまです。説明を受けるオーナーの理解力や判断力に差があることもありますので、説明しなけれならない内容や、その程度について、一般的な基準を示すことはできません。

 医師はオーナーに対して、どのような内容の説明をするべきなのかについて、医事法では、以下の4説が提唱されています。
①合理的医師説(医師の間での一般的慣行が基準となり、他の医師が通常説明していることを説明すれば足りるとする説)
②合理的患者説(当該患者のおかれた状況からして合理的な患者にその情報が知らされたら当該医療行為を拒絶したか否かを基準とする説)
③具体的患者説(当該患者が重要視することが予見可能な情報も知らせるべきであるとする説)
④二重基準説(具体的患者説を前提に、合理医師説を重畳基準とする説) 
 もっとも、これらのいずれかの説が裁判例でも確立しているわけではないとされています。

 説明義務については、今後もコラムで説明を続けて行きます。

弁護士法人浜松町アウルス法律事務所
弁護士 幡野真弥